新作能発表について

 

新作能「吉祥天」の発表・謡奉納につきましては、2018年3月/増上寺塔頭・宝珠院(東京)、2018年4月/浄瑠璃寺(京都府木津川市)の2回、お陰さまで無事に執り行なうことが出来ました。これも、宝珠院様、浄瑠璃寺様をはじめ、ご協力・ご協参頂きました各者様のご尽力の賜物と存じています。 誠にありがとうございました。 改めて感謝をお伝え致します。

今後の発展につきましては、能の詞章及び囃子、舞の完成を待ちまして、演能の舞台化を図って行きたいと存じています。

― 2018年12月末日 淺山 圭子

 

※ なお、演能の詞章につきましては、著作権等の情報保護の観点から、このweb サイトにて掲載することは致しません。作者である能楽師・宇高通成氏に直接お問い合わせ下さいませ。

 

 

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演能(舞台発表)の予定は現在未定です ―

他の催事に於いても同じ課題があることと存じますが、能を上演するには人材(協力者)と資金が必要です。催事の計画・運営・資金収集等の活動に協賛・協力して下さる方々との出会いを重ねて行くことで、一歩づつ進めて行く―― 現在はそのような過程に居ます。 2018年の宝寿院や浄瑠璃寺の謡奉納は、運営もご出演の方もボランテイアの形式で何とか納めることが出来ました。完成された能の上演にあたっては、出演の方だけでも、シテ方・ワキ方や狂言方と云ったメインの登場人物(5.6人~)の他に地謡方(謡を吟する担当、8人)、囃子方(笛、小鼓、大鼓、太鼓)、後見役を含めた所帯になります。
「吉祥天」は被災地の鎮魂と復興を祈念する能であり、震災の記録情報の風化を防ぐ目的も持って淺山は発案しました。上演には前述したように、協力者(サポーター)は勿論ですが、「見たい」という演能を望む声が無くてはなりません。 資金の募集は大事な課題ですが、現地(被災地)のインフラ復興事業が滞っている中、「吉祥天」上演の資金集めが演能の目的になってしまいますと、本末転倒になってしまいます。 演能については、企画運営が確りと立っていることは当然ですが、被災地に対して何がしかの寄与の出来るシステムを作る事が望ましいと思っています。 時間はかかるものと自覚していますが、この事を心して取りかかっていきたいと存じています。

 

吉祥天ノ会 について ―

本webサイトや謡奉納時に配布したリーフレットで「吉祥天ノ会」を目にされた方がいらっしゃる事と存じます。

初めてこの名称を用いたのは、被災地へ義援金を送金する際の送金者名としてです。 義援金は「吉祥天龍神図」の版画頒布会を通じて集めました。 賛同して下さった方々の想いを含んでいますから、「淺山」や「能絵館」で無い方が好いように私は感じ、淺山 澄夫 本人も賛同してくれました。 そこで、作品名に因んだ「吉祥天ノ会」と名付けました。 2011年の夏の事です。 以後は作品の御奉納(談山神社・伊勢内宮)や催事の奉仕(文化という社会貢献の意をこめて)の際にこの名称を使っています。

会は私、淺山 圭子と江崎 理絵(※) 女史が参画しています。( ※被災地復興の壱市民サポーターとして貢献継続中。その思いの深さと信念の強さを感じた淺山は、自分の死を自覚した時に能『吉祥天』の行く末を託した、そういう人と成りの方です。)       

                                    2019年3月 東日本大震災勃発から8年を迎えて


歩み

  • 2011年3月/東日本大震災発生
  •     4月/作品「吉祥天龍神図」制作
  •    11月/記録の風化を防ぐため、物語制作を発案する
  • 2012年/物語を制作
  • 2013年/「吉祥天」の能の詞章を制作
  • 2014年/ 能絵作品「吉祥天」制作
  • 2015年1月/江崎女史に能「吉祥天」の行く末を託し淺山澄夫永眠
  • 2015年12月/能楽師・宇髙通成氏が参画
  • 2017年12月/ 謡お披露目会 (宇高氏創作の詞章)
  • 2018年 3月/宝珠院にて謡奉納
  • 2018年4月/浄瑠璃寺にて謡奉納

新作能「吉祥天」謡奉納式 in 浄瑠璃寺

 

 

「吉祥天龍神図」作品の吉祥天のモデルとなった、木造の吉祥天立像がおわします、浄瑠璃寺(別名:九体寺)にて、新作能の謡奉納を上げることになりました 

時:2018年4月30日(月) 午後六時~ 

 

暮れなずむ春の宵、夕日とともに祈念の詰まった言霊の響きに耳を化されては如何でしょうか

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お陰さまで当日は満席に。庭園の池に住いする蛙も謡に参加するかのように合唱し、仏様の文字通りのお膝元で祈りの一時を皆様と過ごせました。

御住職による吉祥天女のお働きについてのお話や読経、大変印象深い集いの夕べとなりました。

 

 

 

 


新作能「吉祥天」 謡お披露目会

左より― 宇髙通成氏、宇髙徳成(ノリシゲ)氏、ディエゴ氏
左より― 宇髙通成氏、宇髙徳成(ノリシゲ)氏、ディエゴ氏

20017年12月27日、金剛流能楽師・宇髙 通成(ミチシゲ)氏の岩倉稽古舞台(京都市左京区)にて、新作能「吉祥天」の詞章完成を記念したお披露目の謡の発表会が催されました。

かねてから「吉祥天」の演能実現活動を担っている吉祥天ノ会のメンバー、宇髙氏のお弟子さんや関係者を招いての内和の会でしたが、熱気に満ちた中、力強い謡に寒さも忘れるような感慨を覚えました。言霊の力を再認識!といった感覚でした。
今後は「吉祥天」の所縁の各地で謡奉納も上げる予定です。
このような活動をしながら、東北へ、演能へと繋げて行きたいと考えています。

※ 詞章の「間語り」の箇所は未だ出来ていません。詞章全体につきましても、未だ成長段階 ー 更に磨きをかけていく感じとなります。 次にお耳にされる時は、また違っているかも知れません。